お屋敷内の御案内



幅が広く緩やかで、足の長い人にも上るのが大変な階段があります。
味のある『月窓亭』の看板は、陶芸窯『無比』の池田さんに作って頂きました。


玄関の間




種子島の武家屋敷は基本的に玄関がありません。月窓亭の玄関も狭く質素な作りになっています。
家によっては御殿様専用の玄関があったようです。

この部屋では刀を振り上げたり出来ない様、天井が低くなっています。
もうひとつの理由として、手前の部屋と奥の部屋の天井に高低差をつけることで、奥の部屋をより広く見せる視覚効果があります。


次の間



伝統的な日本家屋はこのように部屋と部屋を仕切る壁が無く『田の字型』の作りになっています。
部屋を仕切るふすまを取り外すと大きなワンルームになります。
季節や家族構成によってふすまの仕切り方を変えて部屋数や広さを調整していました。


庭園



薩摩の武家庭園に見られるように、亜熱帯性の植物と白い珊瑚石を融合させた独特な特徴を持っています。


表の間



大きな床の間のあるこの部屋は、南側と北側の庭を見渡すことが出来ます。
床が高く開口部が広いため、とても風通しが良いです。


釘隠し



上の方を見ますと装飾を施した金具が付いています。
これは「釘隠し」というもので、社寺建築やお城、格式のある和風住宅等で使われている、長押と吊り束を固定するために打った釘の頭を隠す飾り金物のこと。部屋によって形が違っています。よく観察してみてください。


ひとつ葉の木



この家は建材として主に種子島産の「ひとつ葉の木」(イヌマキ)が使われています。
ひとつ葉は沖縄から九州各地で高級建築材として昔から使われており、硬質で湿気に強くシロアリに強い性質を持っています。
敷地の中央にも立派なひとつ葉の木が立っていますが、この御屋敷と同じで樹齢200年程だと思われます。


茶室



ここは主に茶室として使われていました。
小さな床の間があり、北側の庭に面しています。


二階




月窓亭で一番眺めがよく開放的な部屋です。敷地全体が見渡せます。ここからは赤尾木城跡(現 榕城小学校・旧榕城中学校)がよく見えます。


階段



階段は取り外しが出来るようになっています。
滑り易いのでご注意ください。
階段室の手前でもフスマが開け閉めできるようになっていますが、家の中では暖かい空気は下から上へ流れます。そのため温度調節に階段室を利用します。夏は開け放し、冬はふすまを閉めて空気の流れを調整し温度を保ちます。