2016年11月29日火曜日

月窓亭おんがく会のご報告

 11月19日、当館にて、明治維新150周年かごしま文化力向上提案事業の一環で、「武家屋敷で奏でる和楽器と明治音楽の調べ」と題した演奏会が行われました。

当日は、心配されていた天候にも恵まれ、最高のコンディションの元、
庭内での演奏会が実現しました。
ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。


箏奏者の本藏理恵さん
お正月の音楽として親しまれている「六段の調べ」や、
日本人に馴染み深い「さくら変奏曲」、アイルランド民謡の「庭の千草」、
秋の童謡「里の秋」を奏でてくださいました。

庭内の大きなゴムの木の下が舞台となりました。


↓尺八奏者の福田井山さんと箏奏者の本藏理恵さんによる二重奏の様子です。

種子島ではポピュラーな民謡「こっちこい」の和楽器演奏は、本邦初公開でした。
箏が波の音を奏で、尺八が旋律で重なり、情感たっぷりに演奏してくださいました。



    ↓薩摩琵琶奏者の上川路 龍聲さん
「小敦盛二段一部」を、全身全霊を注いで演奏されました。     
薩摩琵琶は、正座で立てて構え、三角形の撥で弦を激しく払う形の奏法です。
鹿児島の郷土楽器である薩摩琵琶ですが、今回初めて聴く方も多かったようです。


↓何と、天吹もご披露いただきました。
天吹は、薩摩由来の楽器で、尺八より小さく、音域の高い竹笛です。
藩政時代から武士たちにたしなまれていたそうです。


↓尺八奏者 福田井山さん
「都山流 尺八本曲 慷月調」を演奏されました。


※都山流とは、明治29年に中尾都山が大阪で創始、
今は京都に本拠を置く国内最大の尺八流派です。


福田さんは、尺八について丁寧に説明してくださいました。
尺八の名前は、管長が一尺八寸(約54センチ)であることに由来し、
出せる音域は2オクターブ半くらいだとおっしゃっていました。



↓立山にお住まいで、月窓亭のスタッフでもある 小倉良光 さんが
      立山地区に伝わる種子島民謡「カシミル号遭難の歌」を抜粋して歌って
         くださいました。
        島民でもなかなか聴く機会が無く、貴重な歌の披露となりました。




最後は、お越しくださった皆様全員で明治唱歌「故郷の空」、「紅葉」、
「ふるさと」を合唱しました。

和紙や竹を用いての灯りの演出もあり、和の風情が漂う庭内となりました。
幻想的な灯りの中、月窓亭中に美しい和楽器の音色が響き、
秋の夜長にぴったりの優雅なおんがく会となりました。


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