2015年9月8日火曜日

8月の月窓亭 ~其の1~

更新が遅くなりました。
 
8月は、例年をはるかに上回るお客さまがお越しくださいました。
当館にお越しくださった皆様方、誠にありがとうございました。
 
 
亡くなられたおじいちゃんの初盆で帰郷されたお客さまは、
おじいちゃんが生前、「月窓亭という良いところがあるよ。」
と話していたことを思い出され、当館へお越しくださいました。

 
山の井様に手を合わせてくださるお客さまも。

 
当館では、今では廃れつつある種子島のお盆迎えを再現しました。
 
↓お盆の精霊様のお迎え
 
この日は、どこの家でも精霊様をお迎えしてご馳走をする日。
迎え火を焚く地域、お墓参りに行く地域と様々である。
14日、15日は、1日に数回もご馳走を取り替えなければならない為、
一家の主婦は大忙しである。
床には、芭蕉の大きな葉を敷いて、その上にご馳走を並べる。
ご先祖の全ての位牌の前に①位牌 ②お花 ③ご飯(お箸は竹の丸箸)
④煮しめ(油揚げと昆布) ⑤油揚げ ⑥うちわ
を供える。
 
↓水棚(精霊棚)

世上には、諸々の悪霊が彷徨っていると考えられている。
わが家の精霊さまだけをお迎えしてご馳走をすると、
その悪霊がその家に悪戯をするという。
その行き場のない悪霊様にも棚を作ってご馳走をする。
 
水棚の中には、①シキビやソーハギ②ミズノコ(芭蕉を刻んだもので、アラーネ(洗米)という。)
③ご飯 ④煮しめ ⑤茶 ⑥油揚げ ⑦新しいバケツに柄杓
を用意する。
 
↓掛けの魚(かけのうお)
 
 
七夕の朝早くクレイオ獲りを「クレイオ汲み」という。
7日の朝3時ごろの干潮時に、明かりを灯して行く。
岩に囲まれて出口のない水溜りの海水を汲みだし、
黒い魚のクレイオを手で捕まえる。
家に帰り、2匹のワラまたは紐に通して吊るす。
麻の緒も一緒に下げる。
この時「七夕ジョウ(七夕様)に掛け申す」と言って、掛ける。
掛けの魚はいつまでもそのままにして置く。
(南種子町 牛野) 種子島民俗Ⅱ 下野敏見著
 
次回も引き続き、8月の月窓亭の様子をご紹介します。
 

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