2016年3月10日木曜日

「種子島を語る」


2月27日、「ひなまつりで」華やかに装飾された春の月窓亭にて、満員の中、
歴史小説家の谷口元子さん、西之表市出身で元朝日新聞記者の八板俊輔さん、
コーディネーターに松寿院研究家の村川元子さんをお招きし、
歴史対談「種子島を語る」が行われました。

 ここでは、「気配」をキーワードに対談が進みました。
種子島出身で元新聞記者の八板さんは、何かと話題に上る馬毛島について、無人島にな
って30年以上が経過しているのだけれども、実際のところはどうなのだろうと思い、
実際に馬毛島に足を運んだそうです。
そして、馬毛島と共に歩んできた種子島の
人々の確かな息遣い、つまり「気配」を感じたそうです。
八板さんの本には、最近の馬毛島の様子が、写真と共に紹介されています。
また、単独でカヤックを漕ぎ、馬毛島を離れた時、危うく遭難しかけた冒険談も、
この本の見所の1つです。

種子島に越して来て3年近くになる小説家の谷口さんは、初めの頃、種子島での雨の音
の感じさせる豊かな「気配」に感動したそうです。
また、島の人々の「よかろ」という言葉のやさしい響きに、心惹かれたそうです。
こうして、谷口さんは、島に来て、温かいもの(小説)を書きたくなったのだそうです。
そして、650年前の島の史実に着目し、さらに、種子島家譜の中で「女」とだけ記された
1人の女性に注目し、それらの登場人物たちの息遣い、
つまり「気配」をたどることで、種子島の歴史を題材
にした小説を書きました。

「気配」をキーワードに展開した、谷口さんと八板さんの対談から、私たちのふるさと
種子島の歴史、文化、自然が、たいへん豊かで恵み多いものであることを、
再確認することができました。

谷口さん、八板さん、村川さん、そして
ご来場くださいました皆様方に深くお礼申し上げます。

0 件のコメント:

コメントを投稿