これから暑い夏を迎えるにあたって、涼しげな衣装になりました。
昔は、季節ごとに衣替えをされていたようですが、現在は春と秋の2回行われています。
「山の井様」の関節は自由に動き、寝かせた状態で衣替えをします。
江戸時代、将軍家より島津家に賜り、種子島家に輿入れの際伝わったとされる。
端正な面立ちと伏目がちなまなざしが特徴。
衣替えは、男子は見たり触れたりしてはならず、女性の手で行われる。
このとき男が見ると目がつぶれるといわれている。
昔、種子島家の鹿児島屋敷では婦人所要の部屋に置かれ、春になると背負って磯の花見に連れ出した。
西南戦争、太平洋戦争の戦禍や火災からも免れ、何か神秘的な感じがする人形。
毎日、供え物をし大切にされている。魂が入っていると言われ、不思議なパワーを感じることができる。
市来家隆氏は、山の井様は、西洞院時庸の娘山井の局(1641年)であること、および、島津光久の先夫人の死後、山井様の姉は宮中より下って光久と結婚し、上皇崩御後、山井様も宮中を出て、将軍家綱に仕えて、一生を終えたらしい。そうした悲運の山井様が人形に作られ、それを姉の久光夫人が頂戴して島津家の家宝となり、更に転じて種子島家に伝来したらしいと述べている。 (熊毛文学98号)
月窓亭で見ることができます。
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